2020-02-20 Thu 22:46
ひと昔前と比べて、ケモノを扱ったエロ同人誌はとても増えたように思えます。 ※以下、引用目的でサンプル画像を掲載 ●『幼馴染は猫獣人』ポケットドロップ(けもりぼん) 【ストーリー】 人間と獣人が共生する世界。悲惨なことに、かつて獣人は人間から酷い仕打ちを受けていました。現代でも獣人は差別の対象とされ、主人公の猫獣人:アイコちゃんは周囲からいじめられてしまいます。 少年:玲音君はアイコちゃんを助け、お互い仲良くなるのですが、思春期になったアイコちゃんは玲音君を避け始めます。 「毛むくじゃらな自分より、つるつるの人間の方が、玲音は好きなはずだ…」 しかし玲音君は「容姿なんて無関係だ」と、アイコちゃんに素直な気持ちを伝え、告白します。 そして、お互い付き合うことになったのですが… 【感想】 最後の一コマが衝撃です。 加えて、けもりぼん先生のあとがきの一言。 "悲しい事ですが、マイノリティな思考は表に出さず周囲に合わせた方が上手く世を渡っていけると思うんです" "私が育った閉鎖的な社会なら尚更だと思いながらこの結末に至りました" ラストページで完全に突き付けられました。きっとたくさんの葛藤の下、本作を描き上げられたのでしょう。 今までこんな同人誌があったでしょうか。先生の想い、語り継がせて頂きます… ●『寝台のテーブルマナー』AMEホテル(林檎あめぇ) 【ストーリー】 色んな子を抱きたいヴィオラちゃんは、例えると”マナー違反”な生き方をしており、世間との不一致を感じつつ自分に正直に振舞います。一方ピアノちゃんは、例えると”マナー通り”な生き方であり、自分が持っていないものを持つヴィオラちゃんに羨望します。 二人が恋人同士である所以は、互いに交差した想いなのでした。 ヴィオラちゃんとピアノちゃんは、肌を重ねあわせます。"二人だけの特別なマナー"を探すために。 【感想】 単に「ヴィオラちゃんとピアノちゃんのラブストーリー」と片づけることができない、深いテーマがあります。 同性愛という周囲と異なる付き合い方だからこそ生まれる不安や辛さが効果的に描写されております。 一番響いたのはピアノちゃんの台詞。 "結局型にはまったマナーなんて、肝心なときに何の役にも立たないのね" 作者の林檎あめぇ先生ですが、最近は活動不明となってしまいました。お元気にされているとよいのですが。 あとがきに"レズ修行の旅に出ます"とあるので、もしかすると、長い長い旅に出発されたのかもしれません。 先生、これからも、考えながら、レズを楽しんでください。 ●『Fur F**kⅢ』咬傷堂(麦芽糖) 【ストーリー】 コスプレ好きの主人公:はるるちゃんは、「着ぐるみをした自分とHしてくれないか」と出会い系で依頼されます。興味本位で依頼を引き受け、依頼元の男性と出会っていざ行為をしようとすると、そこに現れたのはメスケモの着ぐるみでした。 中は男だけどメス設定、着ぐるみの意外な構造…など、未知の体験を経ながらも、はるるちゃんはそのディープな世界に面白さを見出します。 最後は自身も着ぐるみを着て… 【感想】 JMoFといったイベントに代表されるように、ケモノの着ぐるみを着て交流する文化は日本でも盛んになってきました。 奥深いことに"着ぐセ"(着ぐるみセックス)が一部界隈で行われているのですが、本作はそれにメスを入れた『Fur F**k』シリーズの3冊目。 ”中は男だけどメス設定”は、この界隈は往々にしてあるプレイスタイルだと思います。 「自分とは違う容姿、かつ、異性になりたい!」という願望が根源に存在します。 今は珍しい文化かもしれませんが、”バ美肉おじさん”と同様、将来は当たり前と化しているかもしれません… 麦芽糖先生についても、最近twitter等の更新がないようなので活動不明です。 どうか是非、今後も特殊性癖を題材にお話しを作ってください!お待ちしております! 私も誰かに認められる作品を作らなければ!
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