2020-07-26 Sun 21:23
2016/6/3『ハンディキャップをぶっとばせ!』、2019/12/24『死ぬほどセックスしてみたかった。』『AGAIN 11』に続き、2020/7/26本日、遂に『由美香』を鑑賞しました。 安達かおる、バクシーシ山下、カンパニー松尾…そして平野勝之(敬称略)。抜けないAV好きの私にとって、この方々は"選ばれし監督"として神々しく映っております。ひえぇ…。それぞれの作品に固有の色があるのですが、特に平野監督は彼の生き様が作中に「これでもか」と盛り込まれている点が好みです。 平野監督を認知したのは大学入学時の間もない頃。ネットサーフィンでたまたま『水戸拷問』を知った時の衝撃は今でも覚えています。 「なんでこんなものを撮ったんだ…」 この疑問が解決したのは、監督による昨年のクラウドファンディング企画でのこと。出資志願した私は、恐れ多くも「直接お会いさせて下さい」とご連絡差し上げました。完全に勢いです。 すると…まさかの快諾!お忙しいところお時間を割いていただき、興味深いお話をカフェで1時間以上も拝聴しました。(カフェで話す内容としては不適切だったかもしれません笑) "由美香に認められたい一心で、暴れた" …納得(?)です。 拙文ですが、以下『由美香』の感想を。 東京~北海道トド島までの旅路ドキュメンタリーである本作には、平野監督の愛が一貫して詰まっています。 親が撮影したホームビデオの子供ばりに映し出される、由美香さんの顔、顔、顔。彼女が精神不安定で怒っていようが、極限状態下で疲弊していようが、酒で酩酊していようが、表情への接写が続きます。文字通り、由美香さんをフォーカスした映画です。 監督の過激な愛情に加えて、何といっても彼女自身や周囲のキャラクターも非常にユニーク。V&Rの監督陣、旅路で出会った人々、『監督失格』にも登場した彼女の母。いい趣が出ています。 由美香さんの茶目っ気や素振りをしっかり見たのは初めてかもしれません。度胸があって、幾ばくか達観していて、それでいて俗っぽい面があり憎めない。あくまで私の感覚ですが、そんな印象でした。 そしてラストはまさかのアレ。さすがV&R。ジョン・ウォーターズの『ピンク・フラミンゴ』か!"ラーメン屋の娘"という背景を加味すると、業が深すぎるぞ… ロードムービーのオチとして非常に悪趣味ですが、寧ろ痛快。気持ちよいエンドをありがとうございました。 『プチ由美香』は、本編と比較すると物語性は控えめですが、いい意味での監督の情けなさが表現されており、人間味が深く映し出された映像でした。 彼女がこの世を去って15年経ちましたが、死後の今でも愛されている彼女はしあわせ者だと思います。 監督のように、彼女のように、自分も享楽的に歩んでいければ…
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